【ザックリ理解】今増えているローカル 5G って何なの?〜基本から事例まで〜

DXのイメージ 技術動向
DXのイメージ

はじめに

こんにちは、Shoheiです。
みなさん 5G は耳にしたことありますよね。5Gの中でも企業の中で活用が広まっているのがローカル5Gです。以前、5Gについての基本的なことはこちらの記事で解説しましたの、まだご覧になっていない方はぜひ覗いてみてください。
今回は注目度が高まっているローカル5Gについて、ザックリ理解を目指して解説します。

ローカル5G って何?

ローカル5Gとは、端的にいうと「企業や自治体が自営で持てる5Gネットワーク網」のことです。これまで通信キャリアのネットワークを使わず、自営で無線ネットワーク網を築こうとするとWi-Fiを局所的に運用し、狭い範囲でのネットワーク網を築くしかありませんでした。しかし、Wi-Fiではカバーできる範囲が限られており、工場などの広い敷地内での活用に運用面で難がありました。そこでW-Fiに変わり、自営のネットワーク網を築く手段として今、ローカル5Gが注目されており、産業界や地方自治体でのニーズが高まっており、また医療や防災などへの活用に熱い期待が注がれています。
ここではWi-Fiと比較して、ローカル5Gの特徴を解説していきます。

 

特徴 Wi-Fi ローカル5G
周波数帯 2.4GHzまたは5GHz 28.2~29.1GHz(ミリ波)
4.6~4.9GHz
最大速度 5~10Gbps 10~20Gbps
通信遅延 20~30ミリ秒 1ミリ秒
認証方式 SSIDとパスワード SIM認証
APNとパスワード
セキュリティ 比較的弱い 比較的強い
コスト AP(Access Point)一台
数万〜数十万円
基地局周辺設備
数千万円〜1億円

ローカル5G の事例紹介

スマート工場:富士通 小山工場

ローカル5G市場が拡大する中で、急成長している分野がこのスマート工場です。これまでも工場のオートメーションについては取り組みがありましたが、課題の一つとしてあったのがデータ通信の問題です。オートメーションを成功させるポイントが”センサー”です。いわゆるIoTで、工場のあらゆる場所にセンサーを設置し、それらのセンサーから取得した情報をAIなどで分析することで人の手が介在しない、もしくは作業をサポートするオートメーションが実現します。しかし、この大量のセンサーから出るデータを通信処理する際にWi-Fiでは通信容量や通信範囲に限りがあり、理想とする通信処理を実現できていませんでした。またミッションクリティカルな工場の作業などでは、AIなどを使ったリアルタイム分析などが期待されていますが、その”リアルタイムな処理”についても従来のWi-Fiでは遅延が発生してしまい、実現が難しいとされてきました。

そのような中でローカル5Gが登場し、これらの課題を解決する一手となったわけです。

富士通の小山工場ではローカル5Gを導入して、工場内を無人走行する搬送車間のリアルタイム通信に利用しています。また4Kカメラによる高精細・大容量の撮影データを常に収集することで、データの分析や工場作業の属人化課題に向けた取り組みも実施され、実証段階ではありますが早い段階でローカル5Gの導入効果が表れてきています。

スマートシティ

令和3年にはローカル5Gに限った話ではないですが、東京都が「5Gを活用した先端技術実証フィールドの構築に向けた取組」と題して、5Gを活用した事業公募を行なっており、採用された例としては5Gを活用したデジタルサイネージとして人流分析や、気象情報の発信などにつなげようとしています。

また、ローカル5Gのスマートシティでの取り組みにもIoTが大きく関わってきます。総務省が総務省が2020年に発表したIoTやローカル5Gのスマートシティでの利活用についての資料では、下記のようなカテゴリで5Gについてのロードマップや、様々な地域の取り組みや成功例が紹介されています。

スマート農業:新潟県新潟市

新潟県では、同県佐渡島の特産品である「おけさ柿」の栽培農家を対象に、作業にスマートグラスを使った遠隔支援を行うための実証実験を始めました。そのスマートグラスの通信にNTTドコモが提供する5Gを採用し、低遅延で遠隔地からでも作業者を支援することが可能になり、新規参入者への栽培経験の継承をスムーズにすることが狙いのようです。

また新潟県は農業だけでなく、県全体を上げて5G基地局の設置を推進しており、県として県民の暮らしや医療、産業への5G活用を推進する方針を掲げています。

今後の動向

ローカル5Gの特徴と簡単な事例を簡単に解説しましたが、今後ローカル5Gやそもそも5Gとしてどういう発展をしていくのか、今後の動向について、ふれていこうと思います。

現在、国内ではローカル5Gの導入を検討する企業や自治体の、自営通信網を築く事への関心が高まってきています。先の事例でも紹介した産業界やスマートシティへの取り組みを強める地方自治体の増加に伴い、検証実験や開発が進んでおり、ローカル5Gの免許申請数も増えてきています。そのような中で総務省は、ローカル5G導入への積極的な取り組みとして「5G事業✖️地域課題解決」を掲げており、「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の実施に対する40億円を含めた250億円ものインフラ整備などへの予算を計上しており、国をあげた導入への支援が期待されています。

また日本国内だけでなく、海外での動きも激しく、アメリカや中国をはじめ、ヨーロッパでもベンダー企業を中心に5G活用の新たな取り組みが次々と発表されています。

今後2025年までには、今以上に5G、ローカル5Gのインフラも整備され、また5Gの特徴を活かしたアプリケーションやサービスも次々と私たちの身近なものとして展開されてくると考えています。
もうすでに次の次世代6Gも検討されている中で、日本がどのように技術的な覇権を握っていくか、見ものです。

おわりに

いかがだったでしょうか。

ザックリとでもローカル5Gのことを理解していただけたら幸いです。

今後のローカル5Gの動向に注目しましょう!

Shohei.N

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