【スタートアップ転職】SIerからスタートアップにエンジニアとして転職する話

山と人生 エンジニアブログ
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はじめに

こんにちは。Shoheiです!
現在、大手SIerでフルスタックエンジニアを目指して仕事をしているのですが、2022年の秋からスタートアップ企業に転職する運びとなったため、大手企業(SIer)からスタートアップ企業に転職するために行ったこと、苦労したこと、注意点などを書き残していこうと思います。

現職とこれまでについて

まず僕自身の経歴と現職についてお話ししていこうと思います。

僕は大学院工学研究科修了後、新卒で大手ユーザー系SIerに入社し、約3年半テレコム業界向けのSI事業にシステムエンジニアとして取り組んできました。

元々、大学では情報系の研究や専攻ではなかったこともあり、ほぼ未経験で新卒SIer業界に入りました。
なぜSIerを選んだかというと、漠然としたIT業界への興味と、コンサルティングチックなことをしたいという思いが当時あり、SIerの門を叩きました。

仕事では入社・配属当時から、自身の会社の誰かと一緒に仕事をすることはほとんどなく、パートナー企業の方を引き連れて一人で仕事をすることが多かったです。
職種としてはプレイヤーを兼ねたプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを牽引したり、顧客ないのいわゆる内製開発チームにエンジニアとして参画し、社内システムの開発をアジャイルで実施したりと、3年半で職種的にも様々な経験をしてきました。

技術領域としてはテレコム業界なので多少のネットワーク・インフラ周りの仕事であったり、クラウドを利用したプロジェクト、SaaS製品を用いた導入案件、さらにはアジャイル開発としてインフラ(クラウド)からアプリケーションまでフルスタックにアーキテクチャから開発まで経験したりと、そこそこ幅広く取り組んできました。

3年半でSIerの同年代の方と比べて、かなり幅広く様々なことを経験させてもらったと思う反面、正直に職種・技術領域全てにおいて中途半端になってしまっているというのも現実としてありました。
そんな中途半端な中で、その先の道として今の会社にあったのが、「マネージャー」の道、「アーキテクト」の道でした。
特にマネジメントが大多数で、アーキテクトはマネージャーが兼務することもありました。

SIerで働いている方であれば共感できると思いますが、実はSIerで働いているシステムエンジニア(SE)がみんな、いわゆる「エンジニア」かというと、実はそうではない場合も多いです。

エンジニアの定義にもよるとは思いますが、僕の中でのITエンジニアは「ITの領域に対して高度な技術知見を有した技術者」だと思っています。
その中でSEは「IT領域の中でも、特にシステム全般に高度な知見を持っている技術者」だと思っています。

僕の働いていたSIerはいわゆるプライムベンダーで、そこに属するSEは大抵マネジメントが主な仕事です。
「技術者」というより「マネージャー」に近いのです。

僕はマネージャーがやりたかったわけではなく、モノを作りたかった、価値を生み出したかったので、マネジメントの道が敷かれたSIerという会社に入社当時から心のどこかで早く抜け出したい、という思いがありました。(マネージャーが嫌という訳ではなく、当然ながら経験を積む中でマネジメントをすることはあるだろうとは思っています。)

転職するに至った経緯

先ほどの話から、現職に対して僕自身がどう思っていたかお伝えできたかなと思います。
ここからは、そういう背景を踏まえて、どういう思いで、どういう転機があって転職、しかもスタートアップへの転職を考えるようになったかを書いていこうと思います。

先ほども書いた通り漠然とSIerという環境から抜け出したいという思いがあり、1年半ほどもやもやしていましたが、明確にSIerでの目標を失ったことが転職をしようと思ったきっかけでした。
このまま目標もなく、ダラダラと目の前のお客さんの課題に対してひたすらにシステム開発などをしているくらいだったら、1回外の世界を見てみようと思い転職活動を決意しました。

最初はコンサルティング会社を視野にれていました。
SIerからの王道の道、といったところでしょうか。
しかし、結局「やっていることほとんど変わらなくない?」と思い、年収アップは見込めるものの、本当にやりたいかというわれると興味が湧かず、コンサルティング業界への転職は候補から外しました。
この時、僕の転職活動の目標が単に年収アップだけではないことに気がつくことができました。

その後事業会社など幅広く探していたところ、入社当時から「スタートアップ」で働くことへ漠然とした興味があったことを思いだし、スキルや経験にも多少自信があったことから、挑戦してみようと思いスタートアップ企業への転職を決意した経緯があります。

ここで語弊があると良くないので書きますが、年収がどうでも良い訳ではなく、基準としては現職程度、もしくはそれ以上の年収帯で転職活動はしていました
また自分の頑張り次第で会社の成長が左右され、収入についてもレバレッジを効かせる可能性も少しは考えていました
スタートアップだからといって、よく言う「やりがい搾取」のようなブラック企業で働こうとは思っていませんでした。

転職先について

僕が転職先として選んだ企業はSaaS製品を作っているいわゆるアーリーステージに位置するスタートアップ企業です。

なぜこの企業を選んだかというと、

  • 50人以下という規模のちょうど良さ
  • 僕が目指すPdMの前例が少ない(現在のPdMはCEOのみ)
  • 社会的に需要がある製品(だと僕自身がそう感じ、大きくしたいと思った)
  • CEO、CTO、会社で働くメンバーとの相性

以上の理由でした。

一番は規模感と会社メンバーとの相性でした。
一緒に会社を成長させたい、事業を大きくしたという思いもあり、また採用プロセスに職場体験があり、働いている方々との相性もかなり良かったことが決め手となりました。

スタートアップ転職について

転職活動で失敗したこと

まずはスタートアップに限らず転職活動全般で失敗したことについて書こうと思います。

様子を見すぎて受け身になってしまった

一番大きな失敗がこれでした。
「転職活動」というものに関して消極的になってしまった、受け身になってしまった、ということです。
初めての転職活動、平日日中は仕事をしながら、自己分析をしたり、企業研究をしたり、かなり忙しい期間でしたが、忙しいなからこそやらなければいけなかったのにできなかったことが「1社目を早く受ける、話を聞く」ことでした。
どういうことかというと、自己分析を通して自分が何をしたいのか、どういう企業で、どういう仕事をしたいのか、そういった自分と向き合う時間をとりすぎてしまって、実際に会社の面接を初めて受けるまでに2ヶ月もかけてしまっていました。

これにより起きた弊害として「モチベーションの低下」と「自己嫌悪」でした。

ダラダラと自分が何をしたいのか、自分探しの旅に一人で出ても、客観的な評価がもらえる訳でもなく、明確な答えが見つかる訳でもなく、時間だけが経ってしまい段々と転職に対するモチベーションが下がり、結局は「現職のままでいいのではないか?」と思うようになっていました。
さらに、モチベーションの低下と自分が市場でどういう評価をされて、どんな会社に行けるのかなどど考え始めてしまい、行きたい会社、やりたいこと、ではなく、行ける会社を探し始めてしまいました。
転職活動が目的になってしまっていました。
そんなことを考えながら、自分にはそんな市場価値なんてないし、などと勝手に自己嫌悪のループに入ってしまい、本格的な転職活動を実行に移すための腰がどんどんと重くなってきてしまいました。

僕の経験上、転職活動において一番大事なのは「少しでも良いなと思った会社はとにかく早めに話を聞きにいく」ということです。
転職活動では、最初からガチガチの面接ではなく、とりあえず話を聞くということが普通に許されるのです。

話を聞くことで、例えばコンサルティング業界ではこういう転職市場でどういう人材が求められていて、SaaS業界ではどういう市場動向で、客観的に自分という人間が一人の人材としてどう思われているかを一発で知ることができます。
転職活動ではダラダラ自己分析などせず、良いと思ったらさっさと話を聞きにいくことで知れることは多いです。

大手企業からスタートアップに転職する場合は特に、スタートアップ企業で働く自分像をいかに早くイメージアップできるかスタートアップで働くこととはどういうコンテクストの違いがあるのか、など現場の人に話を聞かないとわからないようなことも多々あり、興味がある会社はとにかく話だけでも早く聞く、ということが大事です。

自分を過小評価しすぎた

転職活動では自分を大きく見せれば良い。
転職活動が初めてだったこともあり、自分の市場評価がわからず最初の頃はかなり自分のことを過小評価していました。

例えば、必須要項に下記のような項目があったとします。

・Webアプリケーションの開発・運用経験3年以上
・AWSまたはAzure, GCPいずれかのクラウドによる開発経験3年以上
・顧客との折衝経験

僕は転職活動当時、新卒現職で3年程度の経験しかなく、実際に仕事としての上記意見は3年なんてありません。
そんな時に何を思ったか、僕はこういう要項に当てはまる会社を受けるのを諦めてしまっていました。
「正直、3年間はやっていなかったけれど、スキルには自信があったし、経験もあるのに3年以上かー、残念」なんて思っていました。

その後、転職エージェントからの後押しもあり、必須要項には当てはまらないけど興味があった企業を受けてみると、なんとなんと、意外と自分のようなスキルや経験を持っている人材は稀有だった、なんてこともあり、改めて経験年数なんかに惑わされず自分のスキルに自信を持って転職活動を進めることも大事だと気付かされました。

嘘をつくのは良くないですが、正直スキルと能力があれば「〇〇年以上の経験」みたいな要項はすっ飛ばせます。(もちろん職務経歴で落とされた企業もありますが…笑)

特にエンジニアの場合は、現在転職社が有利な市場となっており、スタートアップ企業などもかなり積極的に採用活動をしているところもあるので、自信を持って企業に自分をアピールしていきましょう。

転職活動をしてよかったこと

自分の市場価値を認識できた

これはよく言われることですが、僕が今回の転職活動を通して得られたものとして一番大きいものが「自信」でした。

転職活動を通して、現職の上司や同僚からの評価ではなく、部外の会社や特にスタートアップという「個」の能力や熱量が求められる界隈で働く現場の人からフィードバックともらう、オファーをもらうと「自分の身につけてきたスキルや経験、考え方はこれだけ評価してもらえるのか」「また自分がなりたいゴールに対して足りないものがなんなのか」を知ることができ、自信や活力が湧いてきました。

僕としては結果として現職を離れて転職をする決断をしましたが、もし転職をしないで現職に残る選択をしたとしても、転職活動で得られた自信や考え方は仕事の中で大いに生きるだろうと思っています。

実際に転職活動を始める前と後の現職での仕事の取り組み方にもメリハリが出始めて、自己研鑽などへの意欲も今まで以上に湧き出てきました。

以前読んだ「新時代を生きる越境思考」という本の内容にも、「異なる環境に飛び出して普段と異なる考え方、できないこととの出会いなどを通してモチベーションや活力、自信が増す」というようなことが書いてあり、転職するしない関わらず「転職活動」そのものが良い刺激になると思います

まとめ

いかがでしたでしょうか。

僕のSIerからスタートアップへの転職記録が誰かの一歩を踏み出すきっかけや、転職を考える一つの小さなきっかけになれると嬉しいです。

ちなみに、僕が利用した転職サイトはビズリーチキャリトレで、スタートアップ転職時に利用したエージェントはfor startups,inc.でした。

これらの転職サイトやエージェントについてはまた別記事で書こうと思います。

質問などあればお問い合わせいただければ回答しますので、お気軽にお問合せください。

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